もし有事に首相が判断のできない状況である場合、自衛隊はどうするのか?
何と!決まっていないのです。
そんな肝心な法整備もやっていない状態が現在の日本です。
その状態を放置して、この程度でシビリアンコントロールの危機などと言う政府の
見解は、あまりに欺瞞的でこじ付けといえるのではないでしょうか。

シビリアンコントロールは法でも規制でもなく理念に過ぎません。
本来シビリアンコントロールは、軍を効果的に運用することを目的としています、
つまり戦争に勝つ為のシステムの理念です。
日本のように軍を暴走させない為に縛り付けて役に立たない様にして置くのが目的
ではありません。

以上を踏まえ、国民という立場から発想していきます。

今回の田母神氏の論文の真意は、間違った歴史認識が隊員の士気を損なっている」
という問題提起であります。

さらに過去の栗栖事件などは法整備の不備を指摘する問題提起でありました。
(1978年、栗栖弘臣統合幕僚会議議長による発言の中で、現行では有事に際して自衛
隊は超法規的措置をとらざるを得ないという超法規的措置を許容する趣旨の発言が
波紋を呼び、栗栖の発言撤回がなかったため、野党の批判を呼び、罷免されるとい
う栗栖事件が起き、このときも賛否両論を招きながらも世論の中ではまだ時期尚早
の感があった。)

どちらも政治の怠慢から来る国防の不備や不安を指摘した、
勇気ある内部告発といえるものです。

内部告発ですからそれは職を賭して現職の軍人が行なうことになってしまいます。
辞任してから言っていたのでは役に立ちません。
告発の意義を考えれば、内規違反など些細な問題に過ぎません。

政治が怠慢で、軍人しか知りえない不備を、軍人が指摘する言論を封殺すれば、
改善の機会が失われてしまい、それは国を大きな危機に晒すことになるでしょう。
国民はこの勇気ある言論をもっと理解し評価するべきであると思います。

民主主義にとって最も大切な自由は言論の自由である。
どのような自由にも制限が必要である、しかし言論の自由はあらゆる自由の中で最
も特別に重要であり、たとえどの様な立場の人間でもそれへの制限は慎重に検討さ
れる必要があります、ましてや公権力への批判は決して規制されるべきではないと
思われます。